タンメンこんにちは!
2020年から自治会のIT化をサポートをしているタンメンです。
初めてブックレビューを書くのでドギマギしています。
本を読むのはかなり遅いです。
今日は、水津陽子さんという方が書かれた『めざせ、担い手不足解消!自治会・町内会負担軽減&IT活用事例ブック』をご紹介します!
すでに読んだことがあって、知ってるわ!という方もいらっしゃるかもしれませんが、改めて。
こんな本があるのか…一応読んどこ…と読み始めましたが、「やっぱりどこもそうなんだなぁ」という共感と、「なるほど、これはやってみたい!」というアイデアがたくさん詰まっていたので、



高齢の役員ばかりで、IT化をどうやって進めたらいいのやら…
という方は、ぜひ読んでみることをお勧めします!
それではいってみましょう!
著者情報
まず、これを書いている方「地域活性化コンサルタント」の水津陽子さんについて、お恥ずかしながら存じ上げませんでしたので、どんな人物なのか?を調べてみました。
Amazonの著者紹介を見ると、なぜかアイコン写真が横向きになってしまっていて、もうその時点で「なんで???」ってなってしまっていろんな情報が入ってこない…
それはさておき、水津さんは
地域資源を活かした地域ブランドづくりなどに関わっている方で、自治会・町内会の活性化に関する講演などをされているほか、2019年から自治会・町内会関連の書籍を3冊出版されています。
水津さんが代表を務める「合同会社フォーティR&C」のWebサイトで、最新情報を見てみると…(2023年6月27日現在、一部抜粋)
〔取材協力〕SUUMOジャーナル
2023/06/19 マンションを購入しても自治会・町内会に入らないとダメ?
〔取材協力〕朝日新聞朝刊1トップ・2面 自治会活動曲がり角
2023/04/09 スリム化へ、脱自治会の動きも 共助のしくみ、再構築を〔取材協力〕読売新聞・大手小町の記事に取材協力させて頂きました
2023/04/07 担い手不足に悩む町内会、やめたくなる本音とは?〔取材協力〕朝日新聞デジタルの特集記事に取材協力させて頂きました
2023/03/20 曲がり角の自治会・町内会」(全6回)第2回識者インタビュー「弱まる自治会の力、共助の仕組み再構築を」ほか
合同会社フォーティR&C
私がtwitterでフォローさせてもらっている自治会・町内会関係の方々がリツイートしていた記事ばかり…!
同Webサイトの企画コンサルティングのページでは、自治会・町内会の課題を解決した事例が載っていました。
なるほど、自治会・町内会のことならこの人に聞け!という感じの方なのですね。
ざっくり要約


どんな背景で、どんな流れで書かれている書籍なのか?ものすごくざっくり要約してみます。
背景
この書籍は2022年6月に出版されていますので、まだまだコロナウイルスが猛威を奮い、自粛やら隔離やらリモートやら、この生活はいったいいつになったら終わるのか…と、みんな辟易していたころです。
対面で会うことが難しいなか、私のサポートする自治会でもオンラインで繋がろうとIT化が急速に進んだ時期でした。
2021年7月、総務省が「地域コミュニティに関する研究会」を立ち上げ(著者もこの研究会の構成員を務めているそう)、同時期に全国1741市区町村を対象とした「自治会等に関する市区町村の取組についてのアンケート調査」を実施したとのこと。
その調査結果をもとに「加入率」「IT化」の視点から課題をあぶりだし、解決策を提案したのがこの本というわけです。
全体の流れ
本の内容は、こんな流れで進みます。
アンケート調査結果を元にデータから現状を読み取っていますが、普段から自治会・町内会に関わっている方ならそんなことは当たり前にご存知のことですよね。
時代やニーズに合わない運営体制や活動内容、そして行政からの依頼などが大きな負担となっていると著者は言います。
「会費の徴収方法は見直しできないか?」「役の不公平感をなくすために班や組を再編する必要はないか?」「新たな担い手を呼び込むために工夫はしているか?」など、見直しの代表的な取り組み例がリストアップされているので、自分の自治会・町内会では…と考えながらチェックできるようになっています。
ありがたいことに、「うちの自治会・町内会はこれができていないな…」とチェックした後、具体的にどうすれば良いのか、というちょっとした提案があります。
例えば会費の徴収方法であれば、振り込み、引き落とし、クレジットカード払い、スマホ決済などの事例が既にあり、手数料負担については団体の規模や予算に合わせて考えるとよいこと。「集金が高齢者の見守りに役立つ」という意見については、高齢者の見守り活動として独立させたほうが、ゆっくり話もできるし、班長の負担や若い世代の集金の苦痛も減る…と書かれていて、なるほど確かにと思いました。
この本が書かれたのは、コロナ禍の真っ只中なので「今こそIT化を進めるチャンス!」といった勢いがたっぷりあります。そもそもITって何なの?どれくらいの人が使ってるの?というところから、LINEの詳しい説明、オンライン会議で使うツールの紹介、IT活用のステップも5段階に分けて丁寧に解説されています。具体的な先進事例の紹介もあり、参考になります。
とはいえ自治会・町内会がどれだけ頑張っても、行政からの依頼が減らない限り、負担の根本原因は解決しないよね、そのあたり行政の方はわかってますか?というのが筆者の主張で、最後の2章はほとんど自治体関係者に向けて書かれた内容なんじゃないかと思うくらいでした。自治会・町内会の活性化や負担軽減につながった、自治体の先進的な取り組み事例が紹介されています。
自分の自治会・町内会は何ができていて、何ができていないのか。負担軽減やIT化のために自分たちの自治会・町内会は次に何をやるべきなのか。が見えてくる内容になっていると思います。
ここが良かった


個人的に「これは参考になる!」と思ったポイント3つをご紹介します。
運営と活動の見直しリスト
実際に自治会・町内会をなんとかしなくちゃ、と思っている人に寄り添って進んでいってくれているように感じたのが、代表的な見直しの取り組み事例のリスト。一部を抜粋させてもらうとこんな感じです。↓
めざせ、担い手不足解消!自治会・町内会 負担軽減&IT活用事例ブック
- 役の負担軽減
・会費の徴収方法の見直し
・役や会費の減免制度
・自治会・町内会のIT化の推進
(中略)- 不公平感をなくし、満足度を高める
・班や組の再編
・報酬、費用弁済、有償ボランティア制度
・未加入者のただ乗り対策
(中略)- 新たな参加、担い手を呼び込む
・役強制せず、希望や都合で参加可能
・未加入者のボランティア参加も歓迎
・行催事は実行委員会形式で人材募る
(中略)- 若い世代から団体の信頼性を高める
・個人情報保護法に基づく個人情報の取り扱い
・活動の透明性(情報公開、説明責任)の担保
・活動の見える化(規約、議事録、財務)- 活動の原資、財源の充実
・補助金や助成金の活用
・寄付、協賛、広告、クラウドファンディング
・収益事業、指定管理など- 運営や活動に会員の声を反映
・会員の声を聞くアンケート、対話
・会員の声に基づく運営や活動の見直し
・会員の企画提案を受付、実現を支援



私のサポートしてる自治会でも、まだまだやれることがたくさんある…!
と思わせてくれるリストだなぁと感じました。(役員会で同意が得られ、更に実現できるかどうかは一度置いておいて…)
もちろんそれぞれの項目に具体的な説明がありますので、「つまりこれってどういうこと?」「どう進めればいいの?」というところもある程度まで理解できるようになっています。
IT活用&広報術
第3章「新たな参加、担い手を呼び込むIT活用&広報術」では、自治会・町内会IT化を失敗させないための大原則が紹介されています。
IT活用を進める前に押さえておきたい大原則
めざせ、担い手不足解消!自治会・町内会 負担軽減&IT活用事例ブック
- 目的を明確にする
何のためにITを活用するのか、ITが目的ではない- 無理しない、無理強いしない
できることから始める、できる人から始める- 行動に移し、継続する
できるできないの話より、試行&改善して継続する
つまり、



IT化したら何かが劇的に変わる!負担軽減になる!
という期待を持ってがむしゃらにIT化するのはNG!
あくまで「問題解決の手段」としてIT化を進めるのが大原則、ということ。
また、補助金目的で無理に焦って短期間で進めようとしたり、やりたくない人にやらせるのはNG。
でもかといって



そんなもの私たち高齢者には無理だ!
なんて言ってばかりじゃなくて、とりあえず触ってみましょう!トライ&エラーが大切!とも著者は主張しています。
さらに「IT活用の進め方5つのステップ」の項目では、利用者の意識調査アンケートや人材発掘のためのチラシのデザインの提案まであって、真似して作って回覧すれば、すぐにでも人材探しを始められるようになっています。



私も「自治会HP運営のお手伝いをしてくれる人はいませんか」という回覧板がきっかけで、自治会のITサポートに関わるようになりました!
もし人材集めに悩んでいる方がいらっしゃったら、回覧板やチラシ、とってもおすすめです!
具体的な先進事例紹介
本書にはいくつもの先進事例紹介があるのですが、最近防災に興味がある私がとくに参考にしたいと思ったのは、京都府福知山市和久市町自治会の事例です。
LINEのオープンチャットという機能を使った防災訓練を実施した事例なのですが、とても簡単にまとめると以下のような内容です↓
- 災害時連絡網としてLINEを活用することを決める
- 地域住民と一緒に防災マップを作成
- マップ内に掲載したQRコードからオープンチャットに登録してもらう
- 決められた日時にオープンチャット内で各地から情報発信や情報閲覧をする
2021年06月29日の両丹日日新聞の記事にも掲載されていました。
この事例の素晴らしいところは、遠隔で情報を伝え合うことを想定して、MAPの外枠に左右1〜26、上下A~Zのアルファベットが記載されていて(地図帳のようなイメージです)、さらに、想定される被害や避難のタイミング、避難経路、防災ライブカメラのQRコード、過去の水害時の浸水の深さなどが記載されている点です。



地域住民で話し合いながら作り上げたオリジナルの防災マップは、市全域のハザードマップと違って、多くの人が防災を「自分事」として感じられると思います!
よくある防災訓練のように一箇所に集まらなくても、平常時のように各々の場所から訓練に参加できること、それでいて各地点の様子を正確に伝え合えることができる方法というのは、コロナ禍だからこそ生まれた知恵だなぁと思います。
また、オープンチャットは普段使っているLINEアカウントとは別に「アカウント名」と「アイコン画像」を設定できるので、例えば「○組田中」というように組と名字だけを登録することができます。
普段使っているアカウントで誰かと友だちになる必要もありませんし、知らない人から個別にメッセージが届くこともないので、若い世代もそれほど抵抗感なく登録してもらえそうです。



普通のLINEグループよりもオープンチャットの方が、登録へのハードルが低いです!
この訓練を定期的に実施すれば、災害時にはそのオープンチャットがとても大切な情報取集の場となって、個人の避難の判断基準、さらには助け合いの場にもなるはずです。
ほかにも様々な事例が紹介されているので、あなたの自治会・町内会の参考になる事例も載っているかもしれません。
まとめ


この本の「はじめに」にはこんな一文が書かれています。
「こんな時代にこそ求められるものとは人とのつながりではないのかーー。」
めざせ、担い手不足解消!自治会・町内会 負担軽減&IT活用事例ブック
私もずっとそう思いながら、自治会の活動をサポートしてきたので、この言葉にとても共感しながら読みました。



課題は山積み。いったい何からすれば良いやら…
と思っている方は、読んでみると何かきっかけが得られるかもしれません。
「自治会IT化は目的ではなく、手段です」と著者が書くように、負担軽減や加入率増、新たな担い手確保のためにIT化を進めるべきだと私も思うのですが、やはり「IT化」そのものが負担になってしまうこともあると思うのです。
とくに高齢でITに馴染みのない方は、新しいことに挑戦しなくてはいけないですし、実際IT方面でサポートしている私も、毎日のように自治会活動に関わっていて、やっぱりどなたかが最初にぐっと頑張らなければ、進んでいかないと思います。
それをやるだけの価値があるかと問われたときに、「この目的のために頑張っているんだ」と、前を向き直せる目的があるといいなと思います。
もっというならIT担当の方の個人的な目的もあると続きやすいですよね。



私の場合「スキルアップ」と「仕事につながりますように」と「第3の居場所」という目的のため頑張っています!
この本を読んで、自治会・町内会のIT・DX化に悩んでいるみなさんが、少しでも前を向くきっかけを得られれば…と思っています。(私はここに出てきた事例を、今度自治会長に提案してみようと思います!)
最後までお読みいただきありがとうございました!
皆さまのご参考になれば幸いです。

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